2007年11月アーカイブ



中学受験について

中学受験は本来なら公立の中学校に進めるものを、あえて受験して地元の中学校とは違う学校を目指します。義務教育である中学校をあえて受験するということで、高校や大学の受験とは少々事情が異なります。
これは高校受験でも事実上同じことが言えますが、中学受験に浪人はありません。浪人というのは受験に失敗して不合格となった場合に翌年の試験を受けなおして再チャレンジをするものですが、中学受験で浪人するわけにはいきません。中学受験に失敗した場合は、自動的に地元の公立中学校に進むことになります。これは小学校受験でも同様のことが言えます。

大学受験は浪人が全く珍しくなく、難関大学ともなると多浪生と言って何年も浪人生活を送っている人もたくさん居ます。高校受験についても事実上浪人は有り得ませんが、高校を中退してしまったとしても再度別の高校に入学しなおしたり、編入したり、それ以外にも大検と呼ばれる資格試験を受けて高校卒業に相当する単位を取得することも可能です。

このように高校受験や大学受験というのは、ルートが決してひとつではなく、色々なルートをたどってゴールを目指すことが出来ます。

それに対して、中学受験や小学校受験は浪人という概念がありません。まさに一発勝負なのです。私立中学は入学試験の日程がずれているので複数の中学校を受験することが出来ますが、国立の中学校は受験日が同じであることが多く、どこか1校に絞る必要があります。浪人が可能であれば何度もチャレンジできますが、中学受験の場合は1校に絞ったとなると、その中学を受験するチャンスは人生で1回のみということになります。

ここが中学受験の難しさです。また、昨今のように小学校や中学校を受験するという風潮は最近始まったことなので、現在中学受験をする子供たちの親の世代はほとんどの人が中学受験を経験していません。

中学受験を経験した人がいない上に、一発勝負ということから必要以上に不安に駆られることも多く、半ば都市伝説のようなデマが流布するのも中学受験の特徴です。

そんな不安に最も応えてくれるのが受験塾や進学塾です。これらの塾では毎年中学受験を体験しているため、最もノウハウが蓄積されています。様々なデマや誤った情報などにもキチンと応えてくれますし、正しい情報のみを提供してくれます。何でもプロに任せるのが最も確実なのは間違いありませんが、特に中学受験となるとその傾向が強いと思います。



加熱する中学受験

中学受験が以前にも増して熱を帯びています。中学校は言わずと知れた義務教育の一部ですから、何も受験をしなくても最寄の公立中学校に入学することが出来ます。それに対して、高校や大学は義務教育ではありませんから、各々の学校が実施している入学試験に合格しないことには入学することは出来ません。

まだ義務教育で、平たく言えば「タダで入れる」のに、なぜわざわざ中学受験なのでしょうか?まずは中学受験を取り巻く現在の教育環境についてお話します。

中学受験の過熱ぶりと並んでよく取沙汰されるのが小学校受験、通称「お受験」です。義務教育である中学校から受験をするとは早すぎるという意見を持っている人にとってはさらに早い小学校を受験するというのはとんでもないことだと思われるかも知れません。

ですが、中学受験や小学校受験をする子供の親御さんにとっては切実な問題なのです。地元の公立に進ませたいのは山々ですが、昨今の学級崩壊やモンスターチルドレンといった問題を考えると、多感な時期を迎える早い段階から恵まれた教育環境に自らの子供を置きたいと思うのは当然の人情です。

その結果、進学実績の高い国立の小学校や特色のある教育環境を持っている私立の中学校や小学校は人気校となり、その狭き門を巡って熾烈な受験戦争が勃発することになります。

中学受験の対象となる学校は先ほども申し上げました通り、国立の中学校または私立の中学校です。公立の中学校は試験ではなく校区内で中学校入学の年齢を迎えた人全てに入学する資格がありますから、受験の必要はありません。

国立の中学校というのは一般的に国立大学の教育学部に附属した中学校のことを指します。東京であれば東京教育大学(現筑波大学)附属中学校、大阪であれば大阪教育大学附属中学校と言った具合です。どの学校も総じて極めて難関校とされており、自ずと優秀な学生が集まることから教育レベルは高くなります。

かたや私立中学校の場合でも、有名私大の附属中学校となるとそのままエスカレーター式に大学まで進学できる、または進学に有利なため非常に人気があります。受験勉強の苦労をさせないためにも早いうちに有名私学に入れておきたいという親心もあるようです。有名私大の附属中学校でなくても、中学受験の際に人気校となっている学校は多数あります。

進学指導に力を入れている中学校などで難関高校への進学実績が高ければそれだけその中学校の人気も高まります。また特食ある教育プログラムを持っている私学も人気があります。
このように一般の公立中学校の凋落が叫ばれるなか、中学受験が過熱するのは時代の当然の流れと言えるかも知れません。

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