is: 2007年12月アーカイブ



私立中学

中学受験というのは遠い世界の出来事、と考えている人も実際には多いのではないでしょうか。ここで興味深いデータがあります。

主に中学受験の対象となる私立の中学校というのは、全国にどれくらいあるのかご存知ですか?正解は700校です。この数字が多いか少ないか、私はもっと多いと思っていました。高校野球に出場してくる高校は大半が私立高校ですが、それだけでも毎年47校あるわけですから、実際にはもっともっとたくさんの私立中学校があると思っていた次第です。やはり高校と中学校では事情が異なるのでしょう。

さて700校ある私立中学校のうち、一番多いのは東京都で179校、2番目が大阪府で63校。その周辺で見ると神奈川県に62校、埼玉県20校、千葉県23校、兵庫県39校、京都府24校...これを地域別に見てみると首都圏で284校、関西圏で126校ということになります。これだけで半数以上ということで、首都圏と関西圏に私立中学校が集中しているのです。そのデータはそのまま結果にも表れており、中学受験が盛んなのは首都圏と関西圏ということで、やはり身近に魅力的な私立中学校があることで中学受験の気運が高まるのでしょう。

逆に考えると、これらの地域以外では中学受験というのは対岸の火事のように捉えていることもあると思います。これらの地域以外の実は中学受験が過熱している地域と言うのは日本のごく一部に過ぎないということなんですね。これらの地域ではごく一部ではありますが、小学生の大半が中学受験をすることによって私立中学校に進むため、地元の公立中学校が定員割れになることまであるそうです。

都市部と地方の格差問題がここ最近社会問題化していますが、中学受験の事情を考えてもそういった格差の問題はクローズアップされそうです。また、私立中学校は公立中学校と違って授業料が高めになるため、金銭的な格差も開いてしまいます。

それなら中学受験は都会のお金持ちだけのものなのか、という疑問がわいてきます。それならここまで中学受験が過熱するはずがありません。都会のお金持ちという条件を満たす人なんてそんなにたくさん居るわけではありませんからね。以前はそうだったかも知れませんが、現在ではそうでない一般の人にも中学受験が浸透してきていることが昨今の過熱を招いているものと思われます。

今や中学受験は全ての人に関係があります。親が関心を持っていなかったとしても、当の子供が友達や周りの子供が中学受験をすることによって影響を受けて、中学受験を希望するかも知れません。その時にうちに関係ないから、と言ってしまわないためにも中学受験事情に関心を持つことが大切なのだと思います。



中学受験における偏差値

大学受験でも大学の難易度は偏差値が目安にされています。
これは中学受験でも同じです。受験といえば偏差値と言われるほど、偏差値は幅広く使われています。それではこの偏差値、いったい何なのでしょうか?偏差値についてキチンと説明できる人はあまり居られないと思います。

偏差値というのは全体の平均点からどれだけ離れているかをはかる数値です。その時の平均点と全く同じ得点なら偏差値は50になります。統計学によると、この偏差値というのは98%の確率で25~75の間におさまるとされており、そこにおさまらない得点の人はサンプルとして特殊なケースになります。つまり98%の確率で最高得点の人は偏差値が75付近になり、最低得点の人は25付近になるはずです。

中学受験の受験校をランキングする時には、この偏差値がどれくらいでないと合格出来ないかという基準に基づいてランキングされます。超難関校と言われる学校であれば偏差値が70以上であければ合格が難しいということになるでしょうから、その中学校の偏差値は70以上ということになります。難関校と言われる学校で60以上、やや難関とされる学校で55以上、と言ったところでしょうか。もちろんそれよりも下にランキングされる学校に関しては入学がそれほど難しくない学校と言うことになります。

この偏差値のもととなる得点というのはどこで取った得点のことなのでしょうか。中学受験は大学受験と違って全国規模で行われるものではありません。首都圏なら首都圏の中で、関西圏なら関西圏の中での争いとなりますので、最低限その対象となる地域をカバーしている模擬試験や実力テストなどで取った得点によってはじき出された偏差値が判断材料として最も信憑性があります。

中学受験の本番になった際、そのテストを受けた人たちとの争いになることが予想されるからです。ですから、模擬試験の段階からすでに志望校が決まっているのであればなるべくその学校名を志望校として記入するのがお勧めです。同じことを考えている人たちとの間で、自分がだいたいどの位置にあるのか分かりますし、その学校が志望校としてふさわしいのかも把握することが出来ます。
大学受験ならどの大学がどのくらいのレベルなのかよく知られていますが、中学受験となると分かりづらい部分が多く、またそれまではあまり難しくないとされていた中学校が徐々に力をつけてきて難関校の仲間入りをしたために予想よりも難易度が高かった、といことも頻繁にあるからです。

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