私立中学

中学受験というのは遠い世界の出来事、と考えている人も実際には多いのではないでしょうか。ここで興味深いデータがあります。

主に中学受験の対象となる私立の中学校というのは、全国にどれくらいあるのかご存知ですか?正解は700校です。この数字が多いか少ないか、私はもっと多いと思っていました。高校野球に出場してくる高校は大半が私立高校ですが、それだけでも毎年47校あるわけですから、実際にはもっともっとたくさんの私立中学校があると思っていた次第です。やはり高校と中学校では事情が異なるのでしょう。

さて700校ある私立中学校のうち、一番多いのは東京都で179校、2番目が大阪府で63校。その周辺で見ると神奈川県に62校、埼玉県20校、千葉県23校、兵庫県39校、京都府24校...これを地域別に見てみると首都圏で284校、関西圏で126校ということになります。これだけで半数以上ということで、首都圏と関西圏に私立中学校が集中しているのです。そのデータはそのまま結果にも表れており、中学受験が盛んなのは首都圏と関西圏ということで、やはり身近に魅力的な私立中学校があることで中学受験の気運が高まるのでしょう。

逆に考えると、これらの地域以外では中学受験というのは対岸の火事のように捉えていることもあると思います。これらの地域以外の実は中学受験が過熱している地域と言うのは日本のごく一部に過ぎないということなんですね。これらの地域ではごく一部ではありますが、小学生の大半が中学受験をすることによって私立中学校に進むため、地元の公立中学校が定員割れになることまであるそうです。

都市部と地方の格差問題がここ最近社会問題化していますが、中学受験の事情を考えてもそういった格差の問題はクローズアップされそうです。また、私立中学校は公立中学校と違って授業料が高めになるため、金銭的な格差も開いてしまいます。

それなら中学受験は都会のお金持ちだけのものなのか、という疑問がわいてきます。それならここまで中学受験が過熱するはずがありません。都会のお金持ちという条件を満たす人なんてそんなにたくさん居るわけではありませんからね。以前はそうだったかも知れませんが、現在ではそうでない一般の人にも中学受験が浸透してきていることが昨今の過熱を招いているものと思われます。

今や中学受験は全ての人に関係があります。親が関心を持っていなかったとしても、当の子供が友達や周りの子供が中学受験をすることによって影響を受けて、中学受験を希望するかも知れません。その時にうちに関係ないから、と言ってしまわないためにも中学受験事情に関心を持つことが大切なのだと思います。

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このページは、isが2007年12月27日 15:03に書いたブログ記事です。

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