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中学受験の面接試験

中学受験には学力試験のほかに、もうひとつ大きな「科目」があります。それは面接試験です。
もちろん面接試験を行わない中学校もあるそうですが、いわゆる難関校や人気校ではおおむね面接試験が行われていますので、面接試験を無縁の中学受験というのはおそらく少ないと思います。

面接と言うと、受験生本人が中学校の担当者と相対して試問を行うように思いますが、ここに中学受験の特徴として、受験生本人だけでなく、親も面接があるという点があります。小学校受験の場合は受験生が幼稚園児であるため、親の面接はほぼ確実に行われますが、中学受験でも親の面接が重視される傾向があります。

それでは学校側の本音として、なぜ面接試験を行うのでしょうか。それを知ることにより少しでも面接試験で高得点を稼ぐことが出来るようになります。

私立中学校の場合、それぞれの中学校には特色があります。そういった学校のカラーに合った受験生なのか、またその親なのか。合格してその中学校に通うようになれば学校と保護者が一体となってその子供を育てることになりますから、一緒に協力できる親なのかどうかを見極める狙いがあります。それと、これは最近の事情ですがモンスターペアレント対策でもあります。モンスターペアレントとは、学校に理不尽な要求を突きつけてくる親のことで、最近の教育現場で大きな問題になっています。

高いお金を支払って子供を通わせているわけですから、そうした問題のある親や学生のために他の学生に悪影響が及ぶことがあってはいけません。そこで入学選考の段階でそうした問題がないかを厳しくチェックしているのです。

そこで、面瀬の際に重要なのはいかに普段通りの自分を見せることが出来るか、それとその中学校に対する熱意が伝わるか。この2点に尽きると思います。

緊張してしまって思うように自分の思いを話せないのは仕方ないことですし、他の受験生や親も同じだと思って良いことです。そういった小手先のテクニックではなく、緊張していながらでもしっかりと自分の言葉で話すことが大切です。学習塾では面接対策として受け答えまでを最初に決めてしまいますが、その受け答えの意味を理解せずに付け焼刃で面接に臨んでも予想外な質問に接したときに慌ててしまい普段の自分を出せなくなってしまいます。

その中学校に対する熱意については、その学校のどういうところに魅力を感じているのかを出来るだけ具体的に話すことが大切です。「教育環境が恵まれている」と言うと漠然としていますが、「緑の多い場所で、自然に触れられる機会が多い」「見学で訪れた際に在校生が礼儀正しかった」など、これなら非常に具体的で伝わりやすいと思います。

いずれにしても、本当に思ってもいないことを言っても面接官はプロなのですから、うまく言えなくても本当に思っていることを自分の言葉で話すことが大切なのです。



中学受験の受験科目

中学受験に必要な科目、全て言える人はあまりいないのではないでしょうか。
中学受験を志している人なら常識的なことでも、中学受験に関係の無い人にとっては一体何が試験科目なのかすらイマイチよく分からない、というのが実際のところだと思います。
中学受験で必須となる科目を順に見ていきましょう。

まずは国語。他の科目も日本語で出題されることや、人間的なコミュニケーション能力も国語力がベースになっていることから近年重視される傾向にあります。漢字や語法、ことわざなど学習によって覚える事項に加えて、その子供がどんな考えの持ち主なのかを探りやすい科目であることから、受験生の人間性を見極めるという意味合いもあるようです。

次に最も実力差がつきやすく、中学受験の主役とも言える算数。最も受験勉強の成果が出る科目でもあるため学習塾など中学受験を専門としている教育機関でも多くの時間をかけています。出題の傾向に学校の特色がよく表れており、たくさんの問題を解かせて正確さやスピードを判定する中学校と難易度の高い応用題が出題される中学校に大きく分かれます。小学校で習う範囲も広いですが、それ以外の範囲からも出題されますので中学受験に向けた特別な学習が必要な科目でもあります。「学校で習っていない」では済まされないわけです。

次に理科。小学校での理科というと、何かの法則などを丸暗記するというよりも、実際の実験などを通して体験する科目という意味合いが強く、中学受験でもそういった内容に沿った出題傾向があります。ある事柄に対してなぜそうなるのか、なぜそうなると思うのか、などのような論理的な思考が求められます。

最後に社会。社会科というと丸暗記が全てというイメージがありますが、小学校の段階では細かい部分を覚えるというよりは社会の仕組みや、歴史などについても正確な年号よりも何が起きたのか、という事象に重点が置かれています。中学受験はすでに完成された知識を持った子供よりも、これから伸びる可能性がある子供を合格させます。社会科においては、過去の歴史的事実に基づいて、それがあるから現在のこれがある、と言ったような繋がりを持った知識の積み重ねが功を奏します。

なお、これらの科目については全ての中学校で同じ科目が出題されるわけではありません。上記4科目全てが必須である中学校や、国語と算数だけの学校、または双方を選択できる学校など色々です。ごく一部の中学校では英語が受験科目になっていることもあります。



親の中学受験

中学受験は受験をする本人が小学生と言うこともあって、子供だけの戦いではありません。
その子供の親も一緒になって中学受験を戦う必要があります。これは幼稚園児が受験をする小学校受験になるとさらに顕著になります。小学校受験のことを「お受験」と呼ぶのも、そういった親の事情を表したものでしょう。

小学校受験ほどではないにしても、中学受験は親の頑張りが成否に大きく影響します。子供の受験対策に最も適した学習塾を選んであげることや、それ以前の段階で志望校選びから親の考えが大きく影響します。特に親が高学歴の場合、子供に同じ道を歩ませようとして中学受験に臨むことが多いのですが、それだと思考が一辺倒になってしまい、「一流大学に受かるためにはこの中学」としか考えられなくなってしまいます。その言葉に説得力があれば子供もヤル気を出して頑張れると思いますが、当の本人が親と一緒の考えを持って志望校に魅力を感じないことには受験勉強のモチベーションに大きく影響すると思います。ヤル気を出させてあげるのも、親の役目です。

小学校受験では非常に強く意識されるのですが、中学受験でも学校説明会が非常に大切であることをご存知でしょうか。私立中学校は試験日のかなり前に学校説明会を開催します。その説明会に来た人というのはその中学校を強く志望している人の集まりなわけで、必ず出席しておく必要があります。中には学校説明会の会場でしか出願書類を配布しないという中学校もあるほどです。

何度も学校説明会を行っている中学校については最も早い時期である1回目の説明会に出席した人だけがチェックされて特に志望意欲が強いと判断されて中学受験が有利になる、という噂話もあります。全ての学校においてそれが該当するかは分かりませんが、中学校によってはあながちデマでもないようです。

こういった対策は受験勉強をしている本人の努力ではありません。親がこまめに情報収集をして、確実に子供の中学受験を後押ししてあげる必要があります。

ただ、こういった情報が拡大解釈されて「受験番号が若いほうが有利」「試験当日の服装で合否が判断される」などとにわかに信じがたいような噂話もたくさん流布しています。暗黙のルールで試験当日の服装を決めていてそれを知らずに違う服装で来た人は不合格になる、というひどいものまであり、こういったデマに振り回されないようにすることも大切です。
中学受験は親と子が一体となった戦いなのです。



中学受験の勉強法

中学受験に有効な勉強法とはどんなものでしょうか。
額面通りに小学校で習ったことを全てちゃんと出来ていれば大丈夫、というわけではない以上足りない部分をどこかで学習する必要があるのはお話しました。それが学習塾であったり家庭教師であったり、はたまた両方であったり。それについては別の項でお話しました。

さて中学受験は学習塾に行っているからそれだけでOK、というわけではありません。自分でもちゃんと受験勉強する必要があります。これは他の受験勉強と全く同じです。自分で勉強するとなると参考書や問題集を解きながら進めていくのが一般的です。ここでは、どんな学習法が最も効率的なのかをお話します。

実際に中学受験の当日にはその中学校が出題する試験問題を解くわけですから、何はともかくその問題に触れることが一番大切なのは言うまでもありません。大学入試で実際に出題された問題を大学別に全てまとめた問題集として「赤本」というシリーズが大変有名ですが、それと同じことが中学受験にも言えます。

過去に出題された問題は過去問と呼ばれ、目指している中学校の傾向と対策を知る上で最も重要です。過去問には必ずその中学校のクセのようなものがあり、そのクセから大きく離れたような問題が出題されることはまずありません。志望校が決まっているならその中学校の過去問を何度も何度も解いてみることが最も有効な学習方法です。

ここでお気づきの方が居られるかも知れません。過去問を徹底的に学習するのが有効と言っても、それならば特定の中学校の受験対策しか出来ないのでは?という点です。これはその通りでして、なぜかと言いますと中学受験は大学受験と違って受験できる中学校が限られているということを無視できません。試験日が重なっていたり、たとえ重なっていなくても事実上掛け持ちで受験できない学校があるからです。

そのため、中学受験に成功するために一番最初にしなければならないのは、志望校をなるべく早い時期に決めるということです。中学受験にはたくさんの情報が飛び交っており、選択肢に入っている中学校がどんな学校なのかを知る手段はいくらでもあります。そんな情報によって最終的に第一志望にする中学校を決めてしまいましょう。その志望校選びが妥当なのかどうかは学習塾などのプロに相談して、余りにも学力とかけ離れていれば再考が必要ですが、そうでない場合は全ての受験勉強の労力をその志望校対策に費やしても良いと言っても過言ではありません。滑り止めとして他の中学校を受験する場合でも、第一志望のための受験対策が決して無駄にはならないはずです。

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